自毛植毛に寿命はあるのか?

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「自毛植毛には寿命があるの?」
「自毛植毛した10年後はどうなってるの?」

髪の毛には寿命があると言われていますが、自毛植毛で移植した髪の毛にも寿命はあるのでしょうか?今回は、健康な髪の寿命や自毛植毛の仕組み、髪の寿命を延ばすコツなど、髪の寿命について様々な視点から見ていきます。自毛植毛を検討している方や、術後の髪のケアについて詳しく知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

まずは、親和クリニックの図師先生がセルフ診断方法を解説
動画「植毛後、植えた髪の寿命は?」について専門医が回答します【自毛植毛】


健康な髪の寿命は?

健康な髪の寿命は?

自毛植毛について言及する前に、まず健康的な髪の寿命について知っておきましょう。健康な髪の寿命は約2〜6年です。
人間の頭髪は約10万本、多い人で約15万本もの毛が生えているといわれています。毛髪はひたすらに伸び続ける訳ではなく、生えては成長し、抜け落ちては生え替わることを繰り返しています。この髪が発毛し、脱毛するまでの周期をヘアサイクル(毛周期)といいます。

この周期は男性と女性で若干の違いがあり、男性の方が少し短く3〜5年といわれています。このヘアサイクルが乱れると周期が早まり、数ヶ月から長くても1年ほどで抜けるようになります。毛髪の長さや太さ、丈夫さは「成長期」の期間によって決まるため、成長期が短いと十分に成長できず、抜け落ちていく毛髪が増えて、ボリュームがだんだんと減り薄毛が目立つようになっていくのです。
ヘアサイクルは主に以下の3つの段階から成り立っています。

成長期

この期間はヘアサイクルの中で最も長く、毛髪の成長が著しい時期です。一般的には数年間かかり、この期間中に毛髪は1日約0.3mm、1ヶ月で約1cm、1年で約15cm伸びるとされています。この時期が長いほど、毛髪は長く太く伸びていきます。

退行期

成長期が終わると、髪の毛は退行期に入ります。毛乳頭の活動が低下することによって、毛母細胞の分裂に必要な指令や栄養の供給が減少し、毛髪の成長が停止します。この期間は短く、数週間から数ヶ月程度です。

休止期

退行期の後に続くのが休止期で、この期間は数ヶ月から1年程度続くことが一般的です。この時期には新しい髪の毛の成長は始まらず、毛乳頭は休息状態になります。休止期が終わると古い髪の毛は自然に抜け落ち、新しい髪の毛が生え始めることで、再び成長期に入ります。

自毛移植した髪の寿命は?

では、自毛植毛した髪の寿命はどうなのでしょうか?結論から申し上げますと、健康的な髪の寿命と変わりません。2〜6年ほどで1サイクルを終え、自然に抜け落ちていきます。

永続的に生え変わる

永続的に生え変わる

「抜け落ちた後は再び生えてこないのでは?」という疑問を持つ方も多いかと思いますが、その心配は不要です。自毛植毛で移植した後も他の部位の毛髪と同じく、通常のヘアサイクルを繰り返していくようになります。移植された場所が生え際や頭頂部など薄毛になりやすい部位であっても、採取元である後頭部の細胞の性質を受け継ぐため、永続的に生え変わっていきます。そのため、再び薄毛になる可能性は極めて低いのです。これが、自毛植毛の最大のメリットと言えるでしょう。

自毛植毛の仕組み

自毛植毛の仕組み

自毛植毛では毛髪だけでなく、「グラフト」もしくは「株」と呼ばれる毛の成長を促す皮膚組織ごと採取します。薄毛が気になる箇所に1mm以下のホールを開け、この採取したグラフトを植え込みますが、組織内の毛母細胞は生き続けます。そのため、植え込んだ後も血液が供給され、毛髪はこれまで通り成長しつづけるのです。親和クリニックの自毛植毛手術はメスを使わず、国内最小級のパンチブレードを使用しています。超極細の穴なので出血がほぼなく、縫合をしないため抜糸などの処置も不要です。日帰りで手術を受けることができる点も人気の1つです。

人工毛移植の寿命は?

人工毛移植の寿命は?

✔人工毛の寿命は1~2年程度

人工毛移植は合成素材(ナイロン・ポリエステル)で作られているため、自然に生え変わることはできません。さらに、移植後に体が異物として反応することが多く、皮膚トラブルなどを起こし、大体1年程度で抜けてしまうことが一般的です。そのため、髪のボリュームを保つためには年に数回の定期的なメンテナンスが必要となります。

移植した髪はAGAでは脱毛しづらい

移植した髪はAGAでは脱毛しづらい

既にAGA(男性型薄毛症)を発症している状態で、自毛植毛をしても移植した毛髪が同じようにAGAで脱毛してしまうのではと心配される方が多く見受けられます。結論から申し上げますと、移植した毛髪はAGAの影響を受けにくい性質を引き継ぐため、AGAの症状で脱毛していくことはありません

ヘアサイクルの違い

ヘアサイクルの違い

通常のヘアサイクルであれば2〜6年程で生え変わりますが、AGAを発症するとヘアサイクルが乱れ、数ヶ月〜1年程で退行期に移行してしまいます。成長期が短くなるため毛髪は十分に育たなくなります。

特に生え際や頭頂部が影響を受けやすく、AGAを発症すると毛髪は細く、短くなり、最終的には抜けてしまいます。この成長期の短縮の背後には、男性ホルモンの一種、DHT(ジヒドロテストステロン)が関与しています。毛包内の酵素と血中の男性ホルモンが結合し、DHTが生成されると、これが毛髪の成長を抑える因子を活性化させ、脱毛を引き起こすのです。実際、AGAの主な脱毛部位にはDHTの濃度が高いことが知られています。

一日100本程度の抜け毛は自然脱毛といえますが、それ以上の脱毛があった場合は、AGAの発症やヘアサイクルの乱れが起きている可能性があります
自己判断せず、早めにクリニックを受診することをおすすめいたします。

後頭部や側頭部はAGAの影響を受けにくい

後頭部や側頭部はAGAの影響を受けにくい

生え際や頭頂部と違い、後頭部や側頭部の髪は、DHT(ジヒドロテストステロン)の影響をほとんど受けません。このため、自毛植毛ではAGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の部位から「毛包」という組織を含む髪を採取し、移植するのです。移植された毛髪の毛母細胞は生き続け、血液の供給を受けるため、しっかりと根付けばAGAの影響を受けずに半永久的に成長を続けることができるのです。

自毛植毛後は一時的に脱毛する

経験豊富な医師が施術をした場合でも、一時的に脱毛することがあります。これは施術が失敗したのではありません。一時的なもので、一定期間が経てばまた生えてきますのでご安心ください。脱毛には2種類あり、それぞれの違いは以下の通りです。

一時的脱落

一時的脱落

自毛植毛の施術後1〜3ヶ月の間に「移植した髪が短い状態で抜ける」ことがよくあります。これを一時的脱落といいます。自毛植毛を受けた後に髪が抜けると、手術が失敗したのではないかと心配になるかもしれませんが、この現象は一時的であり正常な反応ですので過度に心配する必要はありません。
この一時的脱落は、移植された細胞がしっかりと頭皮に生着する過程で、ヘアサイクルがリセットされるために起こります。このリセットにより、新しい毛髪が生える準備として初めに移植した髪が抜けるのです。自毛移植をした全員に起こる訳ではありませんが、このような現象があるということを理解し、治療の進行や今後のケアについてクリニックとの相談を進めることが大切です。

ショックロス

ショックロス

ショックロスとは、自毛植毛手術後に移植した箇所の「周囲の毛髪が一時的に抜ける」現象を指します。全ての髪が抜けるわけではなく、おおよそ10%〜15%程度が抜けるとされています。15%という数字に驚くかもしれませんが、15%の毛髪が抜けたとしても見た目ですぐに分かるものではありません。このショックロスは一時的なもので、一定の時間が経てば髪は元通りに生えてきます。しかし、この現象を知らないと、突然抜ける毛髪に驚きや不安を感じるかもしれません。ショックロスのことを予めしっかり理解しておいて、実際に起こったとしても適切なケアをしながら不安がらずに待てるようにしましょう。

髪の寿命を延ばすコツ

自毛植毛によって移植された髪は、一度抜けた後も再び生えてきます。ただし、これは移植した髪が適切に頭皮に生着した場合のみです。日常の生活習慣などが原因で頭皮の状態が悪くなると、たとえ薄毛に強い後頭部の髪を移植しても、ヘアサイクルが乱れて早めに髪が抜けるリスクが高まります。そこで、移植した髪の健康を維持し、寿命を延ばすためのポイントをいくつか紹介します。

信頼できるクリニックで自毛植毛手術を受ける

信頼できるクリニックで自毛植毛手術を受ける

毛髪の寿命を延ばすには、自毛植毛の生着率を高めることが重要です。生着率を高めるにはドナーを移植する際に傷つけたり、施術の時間がかかりすぎてドナーの状態が悪くなるケースを避けなければいけません。相応の技術を持つ医師が求められるため、複数のクリニックを比較したり、カウンセリングでご自身が納得されるまで相談したうえで、信頼できるクリニックを選ぶといいでしょう。

術後2週間は安静にする

術後2週間は安静にする

かさぶたが取れる術後2週間は安静が必要です。
手術後は何よりも移植した髪を生着させることを大切にしましょう。施術直後から1週間は激しい運動を避け、移植部への刺激を最小限に抑えるよう心掛けてください。また、移植部に形成されるかさぶたが自然に取れるまでの約2週間は、洗髪時に強く擦ったりなど患部への直接的な刺激を避けるようにしましょう。強い刺激を与えると移植した毛髪が定着する前に抜け落ちてしまう可能性があります。

規則正しい生活習慣を心がける

規則正しい生活習慣を心がける

薄毛の原因は多岐にわたりますが、中でも生活習慣が大きく影響しています。不規則な生活を続けると、頭皮の健康が損なわれ薄毛のリスクが高まります。
自毛植毛を受けた後も生活習慣の見直しと改善を心がけることが大切です。

気をつけたい生活習慣
・食生活が不規則で栄養が偏る
・質の良い睡眠が確保できていない
・常にストレスの多い環境で生活している

数年経っても薄毛にならない?

数年経っても薄毛にならない?

「数年経った後も髪のボリュームは維持されるのか?」
「時間が経てば再び薄毛になるのでは?」

自毛植毛の手術を受けてから髪が生え揃うまでには、おおよそ1年の時間が必要です。しかし、多くのクリニックが公開する症例写真は、手術前と手術後1年後の比較が中心となっています。そのため、5年10年と時間が経っても髪の状態を維持できるのか疑問に思う方も少なくないでしょう。
実際に自毛植毛の手術から3〜4年が経過した方々からは「生え揃った髪が減ることはなかった」「自毛植毛は一生もの」との声が多数寄せられています。親和クリニックでは、患者さまのご理解と協力のもと、自毛植毛後3年以上が経過した患者さまの症例写真やインタビュー動画を公開させていただいております。

親和クリニックの無料カウンセリング

自毛植毛は他の治療方法と比べると決して安くありません。できるだけ長持ちさせたいと思うのは当然のことでしょう。自毛植毛の寿命を延ばすポイントをいくつかご紹介しましたが、最も重要なのはやはり信頼できるクリニック選びです。自毛植毛は実感を得るまでには半年〜1年という長い時間がかかります。信頼できるクリニックや医師であれば、心配や不安があった時にすぐ相談し、アドバイスを受けることができます。

親和クリニックでは経験豊富な医師と自毛植毛経験のある専門カウンセラーによるWカウンセリングを行っております。手術前はもちろん、手術後の生活や薄毛治療全般について何でもご相談いただけますので、まずはお気軽に無料カウンセリングにお越しください。

名古屋院長 福島 俊彦

【記事監修】名古屋院長 福島 俊彦

経歴

  • 平成2年 福島県立医科大学医学部 卒業
  • 平成6年 福島県立医科大学大学院 修了(医学博士)
  • 平成8年 福島県立大野病院 勤務
  • 平成15年 国立郡山病院 勤務 医長就任
  • 平成22年 福島県立医科大学医療工学講座、器官制御外科学講座 准教授 就任
  • 平成22年 福島県立医科大学附属病院 医療安全管理部 副部長 兼任
  • 平成25年 福島県立医科大学甲状腺内分泌学講座、器官制御外科学講座 准教授 就任
  • 平成28年 親和クリニック 勤務
  • 平成29年 親和クリニック名古屋 院長就任

挨拶

自毛植毛を検討されている人ならば、自毛植毛に寿命はあるのか?あるのだとしたらどのくらいなのか?は、決断するうえで非常に重要な懸念点なのではないでしょうか。通常の状態での髪の毛の寿命と自毛植毛した場合の髪の毛の寿命について解説いたします。