植毛とは、薄毛が気になる部分の頭皮に毛髪を植え込む治療方法です。お手軽に試すことができる増毛や育毛とは違い、医療機関で手術を行う医療行為です。
植毛には人工毛を植え込む「人工毛植毛」と、自分の毛髪を移植する「自毛植毛」の2つの方法があります。
「自毛植毛」と「人工毛植毛」代表的な植毛の2つの方法について詳しく解説をしていきます。
人工毛植毛は、ナイロン・ポリエステルといった合成繊維で作られた人工毛を頭皮に植毛する方法です。
一度に数百本単位で植毛が可能で、施術したその日のうちに豊富な毛髪を手に入れることができます。
しかし、自身の毛髪ではなく、あくまで人工毛であるため、伸びたり生え変わったりすることはありません。
そのため、年1~2回の定期的なメンテナンスが必要です。人によっては、身体が異物として反応した場合、拒絶反応が起こるおそれがあります。
以前は、即効性があることからこの人工毛植毛は多く用いられていましたが、数々の副作用が報告されており、その影響によりアメリカでは多くの州で法律によって禁止されております。
現在、日本でも人工毛植毛を行っているクリニックはごく少数です。
自毛植毛はその名の通り、自分の毛髪(AGAの影響を受けづらい主に後頭部・側頭部)を薄毛の気になる部位に植毛する方法です。
自毛植毛では、毛根を包む「毛包」と呼ばれる組織ごと採取し移植します。AGAの影響を受けづらい毛包は、通常通り生え変わり続けるため、薄毛治療の根本解決として注目されています。
自毛植毛後、効果を実感し毛髪が生えそろうまでに約1年~1年半くらいかかるので、長期的な目線での治療となります。
しかしながら、1度手術を行えば、定期的なメンテナンスや通院の必要はなく、自分自身の毛髪のため、基本的に拒絶反応も起こりません。
薄毛の根本的な解決・効果を長期間実感したい方におすすめの方法です。
また、ひとくちに自毛植毛と言ってもその方法は様々で、多くの術式があります。
単一植毛
ニードル植毛とも呼ばれ、移植時は専用の植毛針を使用し、毛穴となる穴あけと植え込み(移植)を同時に行う方法です。
スリット式
移植時は、グラフトを植え込むためにメスで切れ込みを作り、ピンセットで1株ずつ植え込む方法です。
パンチ・グラフト植毛
円筒型の特殊なメスを使い直径4〜5mmの大きさで毛根ごと採取し移植する方法です。1度に2.30本の髪の毛を毛根ごとくり抜き、薄毛に悩む箇所へ移植します。
ミニ・グラフト植毛
パンチ・グラフトの短所を補うために考案された方法です。
パンチ・グラフトと同様に円筒型の特殊なメスを使いますが、1度に採取できるグラフトのサイズを抑え、毛根を細かく採取できるよう改良されました。パンチ・グラフトの円筒型のメスが直径4〜5mmだったのに比べ、ミニは1~2mmとなり細かい調整が可能となりました。
マイクロ・グラフト植毛
ミニ・グラフトよりも小さく採取し、毛髪が1~2本の株(グラフト)を移植します。
FUT法
メスを使い頭皮ごと切り取りドナーを採取する方法です。移植時は一枚に切り取られた頭皮を株にわけ毛根の周囲の組織ごと移植します。
FUE法
メスを使わず小さなパンチでひとつひとつ毛根をくり抜き植毛用のドナー採取する方法。パンチ・グラフト植毛の派生形です。移植時は複数本生えている毛根の周囲の組織ごと移植します。
親和クリニックには、患者さまのニーズに合わせて3種類の自毛植毛手術が選べます。
どの手術方法を選んでも、メスを使わないので皮膚を切ることがないため、お身体への負担も最低限。
「密度・生着率」などの植毛効果は変わりません。
また、1日で施術が完了することも変わりません。
FUE法を独自に改良した「MIRAI(ミライ)法」の特長は、超極細パンチブレード(約0.5mm-0.6mm)によって移植部位を作り、その中に採取した株を植え込みます。空気圧を使ってホールに入れ込むため株そのものは傷つかず、ピタッとはまって脱落しにくくなります。手術痕は目立たず、移植株は高い生着率を誇ります。
ナチュラルカバーリング自毛植毛を略して「NC-MIRAI(エヌシーミライ)法」の最大の特徴は、手術のために髪の毛を刈り上げる必要が一切ないということです。
そのため、手術前後で髪型が変わらないので、周囲に気づかれることなく翌日から日常生活が送れます。
髪の長さを変えずにドナーを素早く見極め採取し、移植していくには経験と技術力が求められます。
親和クリニックは、経験豊富なドクターと看護師の医療チームが、研鑽し続けスピードと大量移植を叶えました。
「なるべく目立たないようにしたいけど、予算も抑えたい」という患者さまからのご要望により誕生した自毛植毛手術です。
「United MIRAI(ユナイテッドミライ)法」の特徴は、MIRAI法とNC-MIRAI法の2つの長所を融合させたことです。
隠せる部分は、メスを使わない高密度自毛植毛の「MIRAI法」で費用を抑え、目立つ部分は「NC-MIRAI法」で刈り上げずに自然なヘアスタイルをキープ。患者さまのご要望に応じたオーダーメイド自毛植毛となります。
植毛は、薄毛の治療が可能として日本皮膚科学会でも推奨されている治療のひとつです。植毛治療の歴史は古く1939年に遡ります。日本の医師が火傷のために毛髪を失った患者様のために手術を行なった論文が残っています。その後、さまざまな手技が生まれ進化している植毛について詳しく解説をいたします。