薄毛(AGA)の悩みは非常にデリケートなもの。気になり始めたら色んな商品を試したり、インターネットで薄毛の原因を調べたりと様々な対策をすることでしょう。
でも、ちょっと待ってください!
その対策、本当に正しいのでしょうか?このページでは、よくある薄毛の噂についてウソかホントか、理由や根拠など詳しく解説していきます。正しい情報を知って正しいケアをしていきましょう!
これってホント?巷にあふれる薄毛の通説を1つずつ見ていきましょう。
A:ウソ 改善効果はない
昔からワカメなど海藻類は髪にいいと言われてきました。その理由は海藻類に含まれている豊富な「ミネラル」です。髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンで作られており、ケラチンの合成を促進するにはミネラルが必要です。しかし、ミネラルは体の中で作り出すことができず、食事から摂取するしかありません。
また、海藻類は緑色が多いですよね。この緑色の正体は「クロロフィルa」といい、ケラチンと結合しやすく、髪の毛を強く育てる働きがあります。ここまで見ると「結局、海藻類は髪にいいのでは?」と思うかもしれませんが、海藻類だけで発毛効果を獲ることは難しいとされています。ミネラルやクロロフィルaが強い髪の毛を育てる効果があることに間違いはありませんが、海藻類をたくさん食べたとしても発毛効果は微々たるもの、薄毛の改善効果はないと言わざるを得ないでしょう。
A:△ 関係はある
薄毛に関する噂の代表格といえばこちらでしょう。AGAのなりやすさは母方の家系に関係しています。細胞の染色体はXとYがあり、男性は母親のX染色体と父親のY染色体(XY)、女性は母親のX染色体と父親のX染色体(XX)を受け継ぎますが、このX染色体が薄毛の遺伝子情報を持っているのです。つまり、X染色体を受け継いだ母方の家系に薄毛の男性がいればその遺伝子を引き継ぐ可能性が高いといえます。
しかし、全ての人が発症する訳でなく、また、母方の家系に薄毛の人がいないからといって発症しない訳ではありません。AGAの発症には男性レセプターが大きなカギとなり、この男性レセプターの遺伝子を受け継いでいるか否かが重要だからです。AGAは、まずⅡ型5αリダクターゼと男性ホルモンのテストステロンが結びつきDHT(ジヒドロテストステロン)が生成されます。さらに、このDHT(ジヒドロテストステロン)がレセプターと結合すると様々な遺伝子作用を及ぼし、脱毛を引き起こします。つまり、Ⅱ型5αリダクターゼとテストステロンが結びつくだけでは薄毛が起こる訳ではなく受容するレセプターがあるかないかが重要で、両親からの遺伝によりレセプターを受け継いでいれば薄毛になる可能性が高く、なければ低いということになります。
A:△ 判断はできない
「すね毛や髭が濃い人は薄毛になりやすい」「体毛が濃いと薄毛になる」…そんな噂をよく耳にすると思いますが、毛深い人が必ず薄毛になるとは限りません。体毛が薄くても薄毛になる人はいます。ただし、AGAを発症した際に、体毛が濃い人の方が薄毛が重症化する傾向にあります。この背景には男性ホルモンが大きく関係し、複雑に作用し合っているため、一概に無関係とは断言できないのです。体毛や髭など男性らしい身体を作り出すのは「テストステロン」という男性ホルモンです。このテストステロンが5αリダクターゼと結合することで薄毛の原因となる「DHT(ジヒドロテストステロン)」が生成されます。DHT(ジヒドロテストステロン)の生成量が増えると体は毛深くなり量も増えますが、頭皮では髪の成長が阻害され薄毛が進行します。これが「毛深い人は薄毛になる」といわれる理由です。確かに、体毛が濃い=テストステロン値が高いということですから、DHT(ジヒドロテストステロン)を生成しやすくAGAになりやすい体質ともいえるでしょう。
体毛が濃いといわれる人の特長 |
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・体毛が太い、長い ・胸毛やすね毛がしっかり生えている ・朝に髭を剃っても夜には伸びている ・剃った髭の跡が青い |
A:ウソ 科学的根拠はない
こちらも昔から言われている噂ですね。唐辛子など辛い物を食べるとカプサイシンによって強い発汗作用が働きます。滝のような汗をかき、頭皮の皮脂分泌が多くなるため髪に良くないのでは…と思われていますが、科学的根拠はありません。大量の汗をかいたとしても頭を洗えばいいのです。むしろ、逆に「辛い物は頭皮に良い」と言われることもあります。髪の毛は血管が運んでくる酸素と栄養によって成長します。カプサイシンによって体の内側から血行を促進し、頭皮や毛根を活発化させる働きが期待できるのです。
しかし、こちらも科学的根拠はなく、AGAの根本的な原因を解消することはできません。血行促進できるからといって過剰に摂取すれば胃腸など消化器官にダメージを与えるのでほどほどに摂取するようにしましょう。
A:ウソ 直接的な原因にはならない
おしゃれや日除けアイテムとして大活躍の帽子ですが、帽子が薄毛の直接的な原因になることはありません。しかし、日常的に帽子を被る人は被らない人よりも抜け毛が増えやすい頭皮環境にあるといえます。その理由は、頭皮の蒸れによる雑菌の繁殖、帽子の締めつけによる血行不良、摩擦によるダメージなどが挙げられます。
特に蒸れによって頭皮環境が悪化すると毛穴のつまりや炎症が起こり、フケやかゆみ、抜け毛の原因となりえます。一方で紫外線や乾燥から頭皮を守るというメリットもあります。「帽子を被ると薄毛になりやすい」という噂を聞くと不安になるかもしれませんが、被り方に気を付けさえすれば、薄毛予防としても活用できます。
帽子の被り方 |
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・長時間の着用を避け、こまめに頭皮の換気を行う ・帽子は清潔に保つ ・通気性がいい帽子を選ぶ ・汗をこまめに拭く ・シャンプーで頭皮環境を清潔に保つ |
A:ウソ かえって逆効果になる
固形石鹸はシャンプーに比べて洗浄力が強く、頭皮がさっぱりした気がしますが、必要な皮脂を落としすぎてしまうため逆効果です。髪や頭皮に必要な皮脂まで洗い落としてしまうと、頭皮は乾燥し、今度は皮脂を過剰に分泌するようになります。そうなると毛穴詰まりの原因となり、髪の毛の成長を阻害したり抜け毛の増加へと繋がります。
A:ホント ストレスが溜まれば影響する
ストレスは体へ様々な悪影響を及ぼします。ストレスが溜まると血行不良や内蔵機能の低下、アドレナリンの分泌が起こります。血行不良や内蔵機能の低下は頭皮や髪の毛に十分な栄養素や酸素を届けることができなくなりますし、アドレナリンの分泌は頭皮の皮脂を「過酸化脂質」というものに変えます。過酸化脂質は頭皮や毛穴にダメージを与え、髪の成長を阻害します。また、極度のストレスが溜まると、10円玉のようなコイン型に髪が抜ける円形脱毛症などを発症する場合があります。
A:△ 直結はしないが薄毛が進行することがある
直接的に薄毛になる訳ではありませんが、睡眠不足や偏った食事、運動不足などで薄毛が進行する場合があります。睡眠は成長ホルモンを分泌し、健やかな髪を育てます。また、髪はタンパク質やミネラルから出来ており、これらは食事でしか摂取できません。美しい髪を育てるにはバランスの摂れた食事が必要不可欠です。運動不足は血行不良やストレス、成長ホルモンの分泌を阻害します。薄毛改善の第一歩は生活習慣の見直しをして、薄毛になりにくい頭皮環境を整えましょう。
A:ウソ 直接的な原因ではない
アルコールが薄毛の直接的な原因にはなるという医学的な根拠はありません。しかし、飲み方によっては多少なりとも影響はあります。体内に取り込まれたアルコールは肝臓で強い頭痛や吐き気などの原因となるアセトアルデヒドに分解され、さらにALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)によって酢酸に分解されます。しかし、過剰な飲酒で分解が追いつかなくなると髪の栄養素であるアミノ酸が動員されるため、髪の栄養が不足し、抜け毛や髪が細くなる要因となるのです。また、このアセトアルデヒドが分解されず体内に残ると、AGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)が増加しやすくなるともいわれています。ご自分の体質や体調を考慮し、適量を守ってお酒を楽しみましょう。
A:ホント 抜け毛を引き起こす
タバコは発がん性物質が200以上含まれており、中でも「ニコチン」と「一酸化炭素」は薄毛に影響を及ぼす有害物質です。体内に取り込まれたニコチンや一酸化炭素の作用により血管が収縮し、全身に酸素や栄養素が届きにくくなります。その結果、髪の毛の成長を阻害し、髪は細くなり抜け毛が増えていくのです。ハーバード大学の研究によると、喫煙者は男性ホルモンの濃度が非喫煙者よりも高く、DHT (ジヒドロテストステロン)濃度にいたっては14%も高いことが分かりました。レセプターと結合しないとAGAの発症には至りませんが、それでも間接的な要因として見逃すことはできないでしょう。
A:ホント 洗いすぎは要注意
頭皮を清潔に保つのは大切ですが、シャンプーのしすぎは逆効果となる場合があります。頭皮に必要な皮脂まで洗い落としてしまうと頭皮が乾燥し、それを補おうと余分な皮脂が分泌されてしまうのです。
その結果、毛穴詰まりを引き起こし抜け毛を増やすことになります。
A:ホント 過度な食事制限のダイエットは危険
髪の成長に必要なタンパク質、ミネラルは体内で作り出すことができず、食事で摂るしかありません。そのため、過度な食事制限のダイエットを行うと必要な栄養素が不足し、髪が細くなり、抜け毛が増えることがあります。また、ダイエットによるストレスで自律神経のバランスが崩れ、血管が収縮すると頭皮に十分な栄養が行き渡らず薄毛を引き起こします。
A:ウソ 直接的な因果関係はない
AGAは男性ホルモンのDHTがレセプターと結合し、遺伝子に作用を及ぼすことによって起こりますが、白髪はメラノサイトから髪に色をつけるメラニンが毛母細胞に取り込まれなくなるために起こります。よって、白髪と薄毛の因果関係はありません。また、AGAの治療薬を服用しても白髪だからといって効果が出ないということもありません。
ここまで薄毛に関する噂を検証してきましたが、いかがでしたでしょうか。ホントかウソかを見分けるためには、薄毛の原因をしっかり理解しておくことが大切です。
AGAの原因はホルモンの変質です。AGAを発症すると短く弱い髪が増えますが、これは男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)が髪の成長期を阻害することによって起こります。Ⅱ型5αリダクターという酵素とテストステロンという男性ホルモンの2つが結びつくとDHT(ジヒドロテストステロン)が生成され、さらに、このDHT(ジヒドロテストステロン)がホルモンレセプターと結合することにより、様々な遺伝子に作用を及ぼし、脱毛因子である「TGFβ1」を活発化させます。髪の毛は、毛の発生や成長の根源である毛乳頭に栄養を与えながら毛母細胞を分裂させ成長していきますが、「TGFβ1」が活発になりすぎるとこの働きを抑制してしまうため、AGAの発症や進行を促してしまうのです。このホルモンレセプターの数は遺伝によって異なるため、人によってAGAの症状に差が出ます。
頭皮が血行不良になると老廃物が十分に排出されず、必要な栄養素や酸素が髪の毛に行き渡らなくなります。そのため、髪は細くなり、コシやツヤは失われ、ヘアサイクルの乱れにより成長途中で止まった髪の毛が抜けやすくなっていきます。
太くてイキイキとした髪の毛は清潔な頭皮環境から作られます。
しかし、清潔にしたいからといって1日に何度もシャンプーをしたり、洗浄力の強すぎるシャンプーや固形石鹸を使っては頭皮に必要な皮脂まで洗い落としてしまい、乾燥によってかえって余分に皮脂を分泌するようになります。
毛穴詰まりが起こると、毛根に十分な栄養や酸素が届かず健康的な髪の毛の成長を阻害してしまうのです。また、皮脂が酸化すると毛細胞を弱らせてしまい、薄毛の原因となります。
強いストレスは自律神経を乱し血行不良を起こします。体が緊張状態になると血管の収縮が起こり、髪の毛に必要な栄養素や酸素を十分に送り届けることができなくなります。栄養素や酸素が不十分な状態では、ヘアサイクルが乱れ、毛母細胞の分裂や頭皮の新陳代謝が正常に行われず抜け毛が増えていくのです。
また、健康的な髪の毛を育てるには質のいい睡眠が必要不可欠ですが、ストレスが溜まると睡眠不足にも繋がり、発毛や育毛に悪影響を及ぼします。
薄毛が気になったら早めに医療機関へ相談しましょう。市販薬や民間療法では薄毛を根本的に解決することはできません。AGAは進行性のため、時間が経てば経つほど薄毛の範囲が広がります。薄毛に唯一有効といわれる「自毛植毛」は、AGAになりにくい側頭部や後頭部の髪の毛をドナーとして使うため、薄毛の範囲が広がってしまえば採取できる本数が少なくなります。費用も時間も効率的に使うには、早い段階で相談いただくことが肝となるでしょう。親和クリニックは世界最高水準の技術を持ち、多くの実績を積んでいます。お一人で悩む前にぜひお気軽にご相談ください。
インターネットには、次から次へと薄毛に関する情報が行き交っていますが、薄毛でお悩みの方が減っている印象はなく、返って増えている気さえしてきます。 薄毛に関する通説の中でも、実は科学的根拠のないものも多くあり、続けているうちの悪化するというケースも少なくありません。 一定期間対策を行い変化がない、もしくは悪化したと感じる場合は、医療機関に相談されることをおすすめいたします。